食習慣

子供の大好きなおやつは、虫歯菌(ミュータンス菌)も大好きです。

そうなのです、おやつに含まれる糖質は、虫歯菌を活動させる栄養の供給です。子供も元気になりますが、口の中では虫歯菌も元気になっているのです。

以前のブログの中で(「乳歯と虫歯://smile-steps.com/archives/176
ミュータンス菌の活動と虫歯になるステップについて記載していますが、今回はこのミュータンス菌の活動を理解した上で、1日の食生活や、歯に良い食べ物 悪い食べ物について理解していきたいと思います。

食事を摂る事による口の中の変化

食事は1日3回摂る人が多いと思いますが、その人は1日3回 口の中である変化が起こっています。

その変化とは、「酸性化」です。

通常、ヒトの口の中は、唾液によって中性(pH6.8 〜pH7.2)に保たれています。
*人間の体には、体液をほぼ中性(pH7.4)に保つ機能があります。
しかし、食事を摂ると口の中は酸性に傾きます。摂取した物のpHの程度と、その食べ物を摂取し続けた時間の長さにより、人の歯がどれくらい悪い影響があったかを計ることができます。

pHとは
※ pHとは、水溶液の性質をあらわすひとつの単位
 酸性          中性          アルカリ性
 pH 0  ← ← ← ← pH 7   → → → → pH 14  

ヒトの歯は、口の中がpH5.5を超えて酸性に傾むくと、エナメル質が溶けはじめると言われてます。
エナメル質とは、人体の中で一番硬い硬組織で、歯の表面を覆うように存在し、歯を長期的に使用できるようにプロテクトしてくれている大切な役割なのですが、意外にもこんなに弱酸で溶け始めてしまうのです。専門的にはこの現症を脱灰といいます。

脱灰をもう少し詳しく説明すると、エナメル質から構成成分の一部であるリンカルシウムが溶け出してしまうことです。
エナメル質の成分が溶けだしてしまうと、当然そのエナメル質は脆いエナメル質になってしまいます。
エナメル質がスカスカの状態をイメージしてみてください。すごく危険な状況ですよね。人体はこの状況を改善しようと、唾液により修復をはかります。

唾液はこのときに次の2つのな効果を発揮します。

  1. 口の中の酸性を中性に戻す。
  2. 唾液を通して、溶け始めてエナメル質にリンやカルシウムを補填して再石灰化させる。

この「脱灰」「再石灰化」が食事のたびに繰り返し行われているのです。

食べ物の摂取と口の中の変化を1日単位で理解しよう

食事を摂り酸性に変化した口の中の環境は、唾液により30分以上かけて中性に戻します。
図に示したように1日3回の規則的な食事の中では再石灰化する余裕があります。しかし、ここに間食をプラスすると、たちまち再石灰化に余裕がなくなります。また、飴やガムなど長時間口の中に食べ物が習慣化されると、場合によっては、ずーっと酸性傾向の口腔内の方も存在するわけです。

そうです、糖をずっと供給しているのです。ミュータンス菌はどんどん歯垢を作り、どんどん酸を歯面に浴びせていくという歯をきれいに維持したい方にはありえないサイクルが見えないところで行われていることに気づいてください。

そして、日頃 摂取している食べ物や飲み物の酸性度も注意して見てみましょう。

食べもの 飲み物のペーハー(pH)

よく聞く話として、コカ・コーラは骨を溶かす飲み物ということを聞きます。
人体の中でエナメル質と骨が一番硬い組成といわれているので、この話が本当であれば、コカコーラは歯も溶かすことができるでしょう。そして、それは本当です。
先ほど、エナメル質はpH5.5で溶け始めると書きましたが、コカコーラのpHは2.2なので、長時間 歯をコカ・コーラにつけていると溶けてしまいます。
このように、私達が日常 何気なく口にしているものの中には、pH値が酸性よりの食べ物がたくさんあります。
図で確認し認識してください。


でも、知ったとしても大好きだから摂取することがやめられないという声も聞こえてきそうですね。
実際、私も我慢づよくありません。大好きなフルーツは酸性の食材です。ワインだって飲みます。
そんなときは、食べた後の歯磨きですね。習慣化しましょう。
でも、外出中はなかなかできないこともあります。そんなときは、水で口を中和するような対処をしたりしています。
歯医者さんが聞いたら、それではダメというかもですが・・・。何もしないよりきっとマシです。

まとめ

今回、皆さんにお伝えしたいことは、食べ物や飲み物の取り方です。規則正しくが正解で良いのですが、間食の楽しみもたくさんの笑顔になるタイミングです。笑顔が多くのストレスを発散してくれます。だから、間食はありなのです。ただし、酸性に傾いた口の中が中性に戻り、脱灰したエナメル質が再石灰化できる間隔はイメージしながら毎日の食事のとり方を考えてみてください。
最後に、小さなお子様をお持ちの親御さん、お子さんにおやつをあげると、すばらしい笑顔を返してくれます。その笑顔見たさに次々お菓子お与えると、少し心配です。
今日のブログの内容をお子様は理解できませんので、コントロールはお父さんとお母さんにかかってくるのです。そして、その節度ある接し方こそが、未来のお子さんの10倍の笑顔になるはずです。

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