色は 人生に彩りをもたらしてくれます。
前回のブログで、色の種類や色の表現方法(RGBとCMYK)などについて理解を深めていただけたと思います。
まだ 前回の記事を確認していない人はこちら
「色を楽しむための基礎知識 その1 https://smile-steps.com/archives/378 」
今回は、その1で最後に触れた、色を構成する3要素を、生活の中に色を活用するときに、ヒントとなる基礎知識を記載していきたいと思います。
まず、色の3要素の中のひとつ「色相」について触れていきたいと思います。
色相(Hue)
最初は色の3要素 「色相」です。
色相とは、目で見て認識できる「色」
赤・黄・緑・青・紫といった、色味の違い・色のグループを意味します。
一般的に「色」という言葉は、色相のことを指していることが多いといえます。
私達 人間が光の波長で色として認識できる範囲は、可視光線と言われる波長域 380nmから780nmの範囲を示します。この範囲で見える色が、虹で示される7色(日本では一般的に、虹は赤・橙・黃・緑・青・藍・紫)と認識されている色の種類です。
余談ですが、虹の色は国や文化見る側の捉え方で色の数は異なるようで、一般的にアメリカでは6色、ドイツでは5色とされています。
さらには3色、2色とする文化圏もあるということが知られています。
そして、虹の色には無彩色の色は 含まれていないことから、色相とは、全て有彩色で構成されていることが理解できます。
虹の色もはっきりとした7色ではないですよね。虹の色は連続体 (グラデーション) であって、明確な色の境界線はありません。波長の長い「赤」から波長の短い「紫」までを並べて、先頭の赤と最後の紫をつなげてホイール状にして表現したものを色相環(カラーホイール)といいます。
このカラーホイールでの位置関係で、組み合わせる色どうしのバランスや見え方が変化するため、色相を理解する上でカラーホイールの位置関係を知っていることは洋服の色の組み合わせや作成するポスター・チラシ プレゼンテーション資料の作成にかなり役立ちます。
色相環の位置関係
補色
色相環で向かい合う色のことを「補色」といいます。
補色には3つの効果があります。
- 物理補色
- 心理補色
- 補色対比
物理補色とは、補色どうしを混色すると無彩色になることをいいます。
心理補色とは、補色の一方の色をしばらく見つめた後に、白い紙などに目を移すと、補色のもう一方の色が残像として現れる現症です。
この心理補色効果は、身近な商品にも活用されています。例えば、牛乳のパッケージに青が使われるケースが多い理由としては、補色残像の黄色が白い牛乳を濃厚に見せる効果があるといわれています。
補色対比とは、補色の関係にある色どうしを並べて置くことで、色の鮮やかさが強調される効果をいいます。これは、スーパーなどのお肉売り場で、緑色のマットの上にお肉が陳列されていることでお肉の色が新鮮なイメージを強調するためにスーパーが取り入れている補色対比効果なのです。
対照色
次に色相環上で大きく離れた位置にある色を組み合わせた配色を「対象色」といいます。
対象色は、色相差8から10で、角度差が120°から150°に位置する関係の色をいいます。
対象色は、補色と同じくダイナミックな印象を与えることができます。補色と比べて、色の距離は近く、選択肢も多いため、より多彩なデザインの幅が表現可能です。
類似色
最後に「類似色」です。
「類似色」は、色相環上は比較的近い色になるため、同系色と同様に、比較的扱いやすく まとまりやすい配色といえます。
寒色と暖色
ここで述べた色相には、色によって感じる暖かさや冷たさがあり、冷たく感じる色を寒色 暖かく感じる色を暖色と表現します。
色相をバランス良く活用するために
色相を理解できたところで、活用方法のひとつをご紹介いたします。
色はたくさん使えばキレイということではなく、自分にあった色だったり、バランス良く組み合わせたりと効果的な活用にもルールが有るのです。
補色や類似色などの効果 組み合わせのルールと合わせて、「70:25:5の法則」を知っていれば組み合わせる割合もセンスよく生活に反映できるのです。
70:25:5の法則とは
この法則は、チラシやポスターなどのデザインの色の配分の割合で、背景や余白などのベースカラーの色が70% 主となる色であるメインカラーが25% インパクトをつけたいときに使うアクセントカラーが5%にすることで見る人にバランス良く・センスよく見せることができるとされている法則なのです。
まとめ
今回は、色の3要素の中で最も重要な「色相」と「色相にまつわる情報」についてまとめてみました。
虹を見ることは頻繁ではありませんが、彩りのある世界の美しさを少しだけ今までとは違う角度から見れるようになったかもしれません。
次回は3要素の「彩度」「明度」などについて記載していきますので、そちらもご覧くださいね。