色は人生に楽しみを与えてくれます。
食事は匂いと味で楽しんでいますが、見た目も大切ですよね。最近ではインスタ映えが最重要な方も多いと思います。見た目は彩りなのです。
前回・前々回と「色を楽しむための基礎知識」と題して色に関するルールや活用方法を紹介してきましたが、今回はその3とし、色の3要素 「彩度」「明度」について記載していきます。
まだ、その1 その2をご覧になっていない方は、そちらから確認いただくとより理解が深まります。
記事はこちら
「色を楽しむための基礎知識 その1 https://smile-steps.com/archives/378 」
「色を楽しむための基礎知識 その2 https://smile-steps.com/archives/385 」
彩度(Chroma)
色の構成要素 色相が理解できた次は、「彩度」です。
「彩度」とは色の濃さ・鮮やかさなどを表現する指標です。
色が濃いもの 鮮やかなものを彩度が高いと表現し、薄いもの 淡い色合いを彩度が低いと表現できます。
なお、白・黒・グレーの3つの色には彩度が存在しません。これらの色は前に記載した「無彩色」と呼ばれるグループの色になります。
わずかでも彩度を持った色は有彩色といいます。有彩色の中で最も彩度が高い太陽光のスペクトルの色は、純色と呼ばれます。純色は、純度によってその度合いをあらわします。
彩度は、周囲に置かれる色の彩度によって変化して感じられます。これを彩度対比といいます。
明度(Value・Brightness)
「明度」とは、明るさの度合いを表す指標です。
有彩色では、白っぽい赤は明度が高く、黒っぽい赤は明度が低いと表現できます。
無彩色では、白は明度が高く、黒は明度が低いと表現をすると理解しやすいと思います。
もう少し詳しく説明すると、明度とは、光の反射率に関係します。
例えば黄は、光の反射率が高いため明度が高く、青は光の反射率が低いため明度が低くなります。
無彩色は明度だけをもち、光の反射率の高い「白」は明度が高く、光の反射率の「黒」は明度が低くなるということになります。
一般的に明度が高くなると、他の色と同じ面積でも面積が大きくさらに前進して見えます。
それに対して、明度が低くなると、他の色と同じ面積でも面積が小さく 後退して見えます。
マンセル・カラーシステム
ここまで色に関する3要素「色相」「明度」「彩度」を詳しく説明してきましたが、この3要素を立体的・体系的に正確に表現すると、「表色系」となります。
マンセルの表色系は、アメリカで美術教師をしていたマンセル(A.H.Munsell(1858~1918))が作成した色の三属性(色相・明度・彩度)による表色法です。現在では、アメリカ光学会 (Optical Society of America = OSA) がマンセル表色系を整理・修正した「修正マンセル表色系」になっています。 日本ではJIS Z 8721(3属性による色の表示方法)として規格化され、建築、プロダクト製品などに利用されています。
マンセル・カラーガイドは、色相環を立体化し、上下方向で明度、横方向で彩度を表します。彩度の範囲は色相によって異なるため、立体はきれいな筒状にはならず凸凹のあるいびつな形になります。
色の見え方
色の基本がわかったところで、人の目はどのように色を捉えるか整理してみましょう。
人の目が色を捉えるには、3つの方法があります。
- 光源色
- 透明色
- 反射色
光源色とは、太陽光は別として、人工的に作られた発行体自身なもつ色合いで、蛍光灯・白熱灯・LEDなどが該当します。
透過色は、ステンドグラスなど 透明なガラスや半透明な物体を光が透過する際に、そのマテリアルを通過する光とその透明性を持つ物体の色が混色されて透過して見える色を指します。
反射色は以前のブログに記載したとおり、物体に反射された波長の光を認識する色となります。
物体の色を認識する際には、この見え方が重要になってきます。
まとめ
3回に渡って、色を楽しむための知識として、基礎的な内容を記載してきましたが、色について興味を持つことはできましたでしょうか。
人生を楽しみ、笑顔の多い毎日を過ごすために、色は必ず必要になり色を活用できれば、コミュニケーションが円滑になるかもしれません。
最後に、最近 良く目にするSDGSのマークですが、彩度が強く色が複数同じ大きさで連続するデザインは、インパクトは強いがSDGSの内容ひとつひとつが目に入ってこない感じがしませんか?
色を理解すると、世の中の様々なマークや印刷物・デザインに興味を持って、今までとは異なる視線で捉えることができると思います。
あなたの周りにも参考になる物が きっと見つかるはずですよ。