皆さんは歯が何本あるかご存知ですか?
成人には32本の歯があります。
そのうち4本は親知らず(智歯)で、それを除けば28本の歯を持っています。
生後4ヶ月から6ヶ月ごろから生えてきて、3歳頃には生え揃う歯を乳歯と呼び全部で20本あります。
6歳ごろから乳歯が永久歯に生え変わり、15歳〜16歳頃までには永久歯が生え揃います。
歯には前歯と臼歯と呼ばれる2種類があります。
顔を正面から見て真ん中(正中)に一番前に2本の歯があります。これをを専門的には中切歯と呼び、その隣の歯を側切歯、そのまた隣を犬歯と呼びます。そしてこの真中から左右に3本 上下で合計12本を前歯と呼びます。
下図の○印が左側の前歯6本を示します。
前歯の役割
前歯の役割は大きく分けて3つあります。
- 食べ物を咬み切る。(臼歯で咀嚼しやすい大きさに整える。)
- 発音する。(前歯と舌との位置関係で発音する。)
- 美的役割として重要。
いずれも生活をするうえで欠かすことのできない重要な役割であることがわかります。
よく噛まずに飲み込む人は、健康上良くないことは想像がつきます。
発音ができないとコミュニケーションは難しくなります。
前歯がないと審美的要素でマイナスとなり、対人関係での好印象に繋がりにくいでしょう。
このように考えると、前歯は日常的に毎日使い、無くてはならないものだということがおわかりいただけたでしょう。
日本特有の文化から見る前歯
前歯を日本の歴史的文化の中で見てみると、「お歯黒」という独特の文化があります。「お歯黒」は室町時代からの日本の風習で、明治時代の初期頃まで長い年月続いてきた女性の習慣です。起こりは3つの説があり、日本古来説・南方由来説・大陸由来説とあるが、いずれも定かではないといいます。
いずれにしても千年に以上に渡り受け継がれてきた風習で、江戸時代には既婚婦人の印として白い歯を染め上げていたことから、誓いの意味があったことが推測できます。
時代とともにお歯黒も施すことに意義は違えど、日本の文化として長きに渡り定着してきた文化であり、浮世絵などにも描かれる大切な文化なのです。ある説によると、日本の古来からの文化は、年齢を重ねた女性に合わせている美的文化ということをできるという説を聞いたことがあります。
これは、日本の着物文化でもいわれているそうで、若くてスラリとした女性に合わせる服装ではなく、たくさんの着物を重ねることで年齢を重ねたふくよかな高齢の女性のスタイルに美的感覚を合わせる文化ということもできるそうです。お歯黒も、年齢お重ねた女性が歯を失った姿に寄せた美意識ということができるのかもしれません。
このように、島国日本は、ときに独自の美的文化を持つ傾向があることがおわかりいただけたでしょうか。では、今の日本は世界の中で美的文化のズレはないのでしょうか?
現代の美的文化
今でもあるかもしれませんが、日本では「八重歯が可愛い」とよく耳にすることがあります。
本当にそうでしょうか?
海外では、八重歯は「Double Tooth」ですが、「Vampire Tooth」「Devil Tooth]とも言われ、嫌われている歯並びです。これも、日本独自の美的感覚のひとつです。また、「すきっ歯(正式には正中離開といいます)」は日本では幸せが逃げていくと言われ嫌われますが、海外では幸せが入ってくると全く逆の解釈のもと受け入れられていることが現実なのです。
どちらが正しい美的基準なのか、私にはわかりませんが、大切なことは前歯は重要なSMILEのパーツであることです。
まとめ
白い歯が、きれいに並んでいるだけで、若々しく清潔な感じがするのは世界共通の美的基準であることは間違いはずです。
アメリカではこの歯を強調した笑顔のことを「ハリウッドスマイル」と呼び、健康的な生活には欠かせないものとなっているのです。