食事は人生の中で大きな楽しみの一つだと言って過言ではありません。
「今日は何を食べようか」ということは、日々の中で考えないことがないと思います。
それほど、人生の中で食事は重要なことなのです。
楽しく 美味しい食事は笑顔を伴います。
食事をとる際におこなう行為の中で「噛む」(chewing cycle)ということは、食べ物を細かくすること以外にも、健康的にいくつかの効果があります。今回はこの「噛む」にフォーカスして綴ってまいります。
現代人の「噛む」回数
現代では、娯楽が氾濫しています。楽しいことにたくさん時間を割かれ、本来であれば一番の娯楽である食事が後回しにされてしまっているのです。
最近では外食時でも多く見かける「ながら食い」 携帯を触りながら・テレビを見ながら・ゲームをしながら・本を読みながらなどなど。食事に向き合う時間は半減され、さらに噛む回数も激減しています。
現代では1回の食事の中で噛む回数は500回〜600回程度とされています。20世紀初頭 昭和の初め頃
1回の食事あたり咬む回数は平均1500回程度とされていましたので、単純に比較すると1/3回と激減しているのです。
背景には、次代のニーズ(ながら食い)に合わせた食材の供給にあります。
ファーストフードや麺類・カレーライスなど短時間で噛まずに美味しい食べ物で、現代は覆い尽くされているのです。だから、ここで「噛む」ことの大切さを再認識しましょう。
「噛む」ことの効果
最初に、噛むことは味わうことであることを再認識しましょう。噛むことで「食感」を脳に伝えます。食べ物が咬み 砕かれる・または咬み切られる 瞬間に歯を通して感じる繊細な感覚を、食べる一部として楽しんでいるのです。
噛むことは健康にも通じています。
では、噛むことで何が健康になるのでしょうか?
そこを少し理解して食事を摂るように心がけると、大きな未来の改善があるはずです。
噛むことは食材を胃で消化しやすいように細かく噛み砕く効果があり、胃への負担軽減に有効です。
それ以外にも
- よく噛むことで、満腹中枢が刺激され 肥満防止 食べすぎ防止となる。
- よく噛むことで味わうようになり、味覚の発達を促します。
- よく噛むことで口の周りの筋肉をよく動かすため、言葉をはっきり話せるようになり表情が豊かになる。
- よく噛むことで脳への血流が増え、学習能力の向上 集中力の向上につながる。
- よく噛むことで唾液腺が刺激され、唾液がたくさん分泌されることで、唾液中にあるペルオキシダーゼという酵素が 歯周病 虫歯を予防する。
- よく噛むことで、顎がしっかり発達するため、健全な歯並びになりやすい。
- よく噛むことで顔面の筋肉 目の周りの筋肉が刺激され、血行が良くなることで視力が向上する。
など、全身に渡り良好な影響を与えているのです。
逆に考えると、あまり噛まない食生活を続けていると
肥満になりやすい
美味しいものを食べても繊細な味がよくわからない
表情が乏しい
集中できない
虫歯が多い(口腔内の疾患が多い)
歯並びが悪い
などが表面化してきます。なんとなく、現代の若者に重ねられる点があるように感じるのは私だけでしょうか?
これらの効果の中には「本当に?」と感じるものもあると思いますので、具体的にをいくつか紹介しましょう
「よく噛まないと」歯並びが悪くなり・肥満になる
歯列不正
よく噛まないと、顎が適切に成長しません。顎を正常に発育させるには「噛む」を通して、顎に適度の刺激を与える必要があるのです。現代人は顎が小さく、顔も小さい傾向がありますが、顎が小さいと歯が並ぶスペースが確保できず歯並びが悪くなります。また、最近の子どもたちの中には、先天性欠如という歯が何本か生えてこない症状が多く見られますが、噛まないことで人体が不要と判断した結果がこのような症状で現れたのかもしれないですね。
過食/肥満。
これは皆さんもご存知かと思います。ダイエットのときに「よく噛む」「ゆっくり食べる」はキャッチフレーズになっていますね。
咬む回数を増やすことで、満腹中枢に刺激が伝わり、食べ過ぎを防ぐ効果は確実にあります。
このように、普段何気なく行っている「噛む」という動作には、考えさせられるべきことが沢山あります。これを理解しているか、理解していないかで、お子様の成長に大きな違いが生まれます。
小さなときから、このような効果を理解した上で「噛む」ことを徹底的に習慣化することで、多くの疾患から回避できる可能性があるのです。
まとめ
小さなときから、死ぬ間際までヒトは食べ物を取り続けます。その中で行う「噛む」行為にはそのヒトの人生を左右するような効果が潜んでいることが 今回の皆さんにお伝えしたいことでした。
正しい顎の成長によりきれいな歯並びが手に入り、正しい食生活の中で、繊細な味付けを感じることができる、そして満足のいく適量の食事で体型を維持し、健康的で文化的な笑顔な多い人生が楽しめるのです。
しっかり「噛む」生活 今からでも遅くないですよ。