唾液には口の中を清浄化する役割があることを理解しているヒトは多いですが、それ以外にも多くのはたらきがあることを知る人は意外と少ないです。
私のブログの中でも、食事をして酸性に傾いた口の中の環境を、中性に戻す働きがあることを紹介しています。
食習慣 https://smile-steps.com/archives/195
唾液にはどのような働きがあり、年齢を重ねると唾液の分泌量が少なくなる事による問題点やどうしたら唾液の分泌を促すことができるのかについて紹介していきたいと思います。
唾液の効果
唾液は1日に約1リットルから1.5リットル分泌されるとされていますが、最初に唾液の役割・効果について理解を深めましょう
- 口腔内の自浄作用
- 口腔内粘膜・潤滑作用
- 粘膜組織修復作用
- 抗菌作用
- 消化作用
- 溶解・凝集・味覚作用
- pH緩衝作用
- 再石灰化作用
- 体内の水分量を喉の乾きなどで調整する
こんなにも様々な作用があります。
味わって楽しむという食事も唾液の効果によって達成できているのです。溶解・味覚作用とあるように、食べ物が唾液と混ざることで味を感じることができるのです。「甘味」、「酸味」、「塩味」、「苦味」、「うま味」といった味覚に唾液が関わっているのです。
そして、唾液が出ないとこんなに困ります。
- 食べ物が飲み込みにくい
- 口の中がカサカサになる。常に水分を補給しなければならなくなる。
- 口臭がひどくなる
- 病気になりやすい
- 虫歯が増える・歯周病になる・口内炎になる
- 話しにくい
- 舌痛・粘膜痛
- 味がわからなくなる
このように日常的な活動を、普通に行うことが困難になるレベルで問題が発生することでしょう。
夜 眠っているときは、唾液の分泌量は抑えられる傾向があります。朝 起きた際に、口が乾いていることがありますが、その場合は口の中に最菌がたくさん繁殖していることが予測できます。唾液の分泌が少ないことで唾液作用の抗菌効果が期待できないためです。
夜 睡眠前に食事を採って、そのままケアせずに寝てしまうことは、口の中の様々な菌の増殖と活動を助長することになるため、様々な疾患だけでなく口臭の悪化にもつながるのです。
さらに、口腔内の最菌は全身への菌の入口となっているため、口の中で増産された最菌は全身につながっていくのです。唾液の現症は、すべての健康のバランスが崩れてしまうきっかけとなってしまうのです。
動物の人間も、唾液が出なくなると死んでしまう運命です。
唾液が減少する原因
唾液はどのようなことが要因で減少するのでしょうか?
- 加齢
- 薬の副作用
- 喫煙
- アルコールの飲用
- ストレス
- 口呼吸
- 糖尿病
- 放射線治療
- 透析
- 寝たきり
- 不規則な生活
- 口腔内乾燥症
上記以外にもたくさんの原因で唾液が分泌されにくくなることがあります。明らかに唾液の分泌が減少している症状を総称としてドライマウスと呼びます。
ドライマウスには、次に上げる3つの原因で分類されています。
- 唾液腺自体の機能障害によるもの
- 神経性あるいは薬剤性のもの
- 全身疾患あるいは代謝性のもの
このように、機能障害・神経性・薬剤・全身疾患・生活習慣などに分けられると思います。
更に詳しく知りたい方は、以下の資料を参考にしていただければと思います。
(参考:口腔乾燥症の分類―日本口腔粘膜学会雑誌. 14; 2(2008年12月): 86-88.)
唾液の成分
唾液はどのような成分で構成されているのでしょうか?
唾液の約99.5%は水分でできています。
残りの約0.5%は無機成分としてカルシウム、リン酸、ナトリウムなど、有機成分としてムチンや抗菌・免疫物質(IgA,ラクトフェリン,リゾチーム,ヒスタチン,アミラーゼ,リバーゼ)などが含まれています。
ムチンはタンパク質の一種で口の中で潤いを維持する成分で非常に需要な役割です。
このように水と0.5%の構成成分で様々な効果を与えてくれていることが驚きですね。
唾液を量分泌が少ない方は、必要量の分泌ができるよう、生活習慣の改善が必要です。
生命力の強い赤ちゃんは、たくさんのよだれが分泌されます。体全体が水分で覆われているように感じることで生き生きしている感じを受けるのは皆さんも同じ感覚だと思います。
唾液の分泌場所
唾液の分泌は、主に 口の中の3箇所から分泌されます。そしてこの分泌場所の近くに生えている歯は、比較的 歯石がたくさん付着する傾向があります。これは、唾液のpH緩衝作用と再石灰化作用があるので、歯石がたくさんできるのは「?」と思いますが、これは唾液の成分とカルシュームが結びついて歯石になるということが原因となります。したがって、この部位はしっかりとした歯磨きが必要となります。
唾液の分泌場所を、唾液腺といいます。代表的な唾液腺(大唾液腺)は次の3箇所です。
耳下腺
顎下腺
舌下腺
耳下腺・顎下腺・舌下腺以外にも小唾液腺と呼ばれる5箇所があります。
口唇腺
口蓋腺
頬腺
前舌腺
エブネル腺
唾液の分泌を促すために
日常生活の中で唾液を正常に分泌させるために、次のようなことに工夫をして見ましょう
- よく噛む(刺激で唾液の分泌を促す)
- 水分補給(こまめに水分を体内に取り込む)
- 口呼吸ではなく鼻呼吸を意識する(口内乾燥を防ぐ)
- お酒やたばこを控える(生活習慣を改善する)
- よく話をする・よく歌う・よく笑う
- 唾液腺マッサージ・舌のトレーニング(唾液の分泌を促す)
まとめ
今回は唾液のはたらき 効果について理解を深めてきました。唾液も日常も潤いのある毎日になるように、水分を補給して 一息ついて生活を営みたいですね。緊張すると口の中は乾きます。それは緊張がストレスとなって唾液の分泌を抑制されているからです。そんなときは、笑顔を忘れず前を向けば、水分に満たされる潤った環境に変化していくと信じています。