「歯を白くしたいけど・・・」どうしたらよいかわからない人や、ホワイトニングハミガキ粉を使用しても自分が思うような白さにならないなど、感じている人はたくさんいます。
以前のブログでも書いていますが、ホワイトニングハミガキ粉だけでは、従来 自分自身が持っている歯の色調以上には白くすることは難しいというところが現実です。
歯の表面に付着したステイン(汚れ)を取るだけでは芸能人のような歯の白さにはならないためです。
「ホワイトニングを知ろう!」 https://smile-steps.com/archives/533
以前に書いたブログにも記載していますので、チェックしてみてください。
では、ホワイトニングと呼ばれる治療があなたの口腔内に適応(施術)できるのか否かについて、まとめてみたいと思います。自分の状態と照らし合わせてブログをチェックしてみてください。
ホワイトニングの適応症
ホワイトニングは過酸化水素・過酸化尿素という、歯科医師が処方しないと使用できない薬剤を使用して実施します。
この薬剤を使用して、歯の内因性の着色因子を化学的に分解して歯を白くします。
内因性とは「テトラサイクリン」「う蝕」「全身性疾患」などでこれらの要因により変色を及ぼしたものを指しますが、適応できない状態もあります。
以下に適応できない状態を記載します。
- 無カタラーゼ症
- 知覚過敏症
- 重度の歯周病
- 妊娠中
- 授乳中
- 健全でない歯牙(う蝕・クラック・強い咬耗・歯軋り)
- エナメル質形成不全症
- 補綴歯(治療して人工物が入っている歯)
上記状態に適合する方はホワイトニングを積極的には推奨できません。
上記不適応症の中から、「無カタラーゼ症」「知覚過敏症」「エナメル質形成不全症」を簡単に説明します。
無カタラーゼ症
無カタラーゼ症とは、過酸化水素を分解する「カタラーゼ」が不足している病気です。
先天性の遺伝的酵素欠損の代表例で、常染色体性劣性遺伝病の一つです。。
無カタラーゼ症を診断された患者は、過酸化水素を含む薬剤によるホワイトニングは決して行ってはいけません。
過酸化水素を無毒化する「カタラーゼ」がないため、分解できず有害物質として体内に残ってしまいます。過酸化水素は進行性口腔壊死などの危険な症状を招くことがあります。
自分では無カタラーゼ症と判断は難しいのですが、無カタラーゼ症の疑いがある場合に、オキシドールを少量傷口に塗布した際に、白い泡が立たない場合は無カタラーゼ症の疑いが強いとされています。
無カタラーゼ症の発現割合は、日本人では0.001%以下と低いですが、施術前の問診や検査が必要です。
知覚過敏症
知覚過敏症とは、う蝕や歯の神経の炎症がないにもかかわらず、冷たい食べ物や飲み物、熱いお茶などを口にした時、歯ブラシの毛先が当たったりしたときに、歯がしみたり痛んだりする状態を言います。一般的には知覚過敏と呼ばれ、歯の象牙質と呼ばれる部分が露出している場所に起こりやすいと言われています。
歯の象牙質については以前のブログをご一読ください。
「象牙質とは」 https://smile-steps.com/archives/566
象牙質には刺激を感じ取って神経に伝える「象牙細管」という構造があり、象牙質が表面に露出すると歯磨きや食事による刺激が強く伝わるようになってしまうことが大きな原因となります。
エナメル質形成不全症
エナメル質形成不全症とは、歯の歯冠部表面をカバーして守ってくれているエナメル質が、遺伝性もしくは歯の形成期に何らかの理由により、エナメル質が部分的に欠損している状況を言います。
エナメル質形成不全には大きく分けて2つのタイプがあり、ひとつをエナメル質減形成、もうひとつをエナメル質石灰化不全と言います。
エナメル質減形成とは、エナメル質の厚さが通常より薄くなっていたり、部分的に欠けていたりするようなものを言います。
エナメル質に、白濁・白斑や黄斑、褐色斑など石灰化の異常(歯の質の異常)がみられるものをエナメル質石灰化不全といいます。
ホワイトニングは過酸化水素を持ちいて、エナメル質に付着している着書にに対して化学的な分解を行う施術です。そのため、エナメル質に問題があると適応ができないと判断します。
ホワイトニング後の注意点
ホワイトニングには適応後理解して置かなければならない点があります。
ホワイトニング適応ができて、歯が白くなったあと、いくつか注意が必要なことがあるため、適応前に理解してから歯のホワイトニング適応するか否かの判断をするべきと考えます。
まず、ホワイトニングして白くなった歯は、永久に白いままではありません。
一般的に「色のあと戻り」と言われるホワイトニング前の色に戻る傾向があります。そのため、ホワイトニングされた白さをキープするためには、定期的なホワイトニングの施術を継続する必要があります。
ホワイトニングの方法によってもこのあと戻りの期間は変わりますが、一般的には、オフィスホワイトニングはあと戻りが早く、セルフホワイトニングはあと戻りが緩やかとされています。
そもそも、天然歯でも加齢とともに変色(黄色が強くなる)していく傾向があるため、ホワイトニングが永久的に白さをキープできるとは思わないほうが良いでしょう。
また、強い薬剤を使用するため、エナメル質にダメージが起こり、人によっては術後しばらくの間 知覚過敏症を発症することがあります。症状が続く場合は主治医に相談することが必要です。
また、術後2〜3時間は酸性の高い食品は摂取できません。
酸性の高い食品 (柑橘果物・スポーツドリンク・炭酸飲料・ヨーグルト・アルコール・酢 など)
さらに、術後24時間は着色しやすい食品の摂取は避ける必要があります。
着色しやすい食品例 (コーヒー・紅茶・ワイン・緑茶・トマトソース・ビーフシチューなど茶系のソース・ケチャップ・醤油・チョコレート・ぶどう・カレー・キムチ など)
術後のリスクや注意点を守る事、その後 白さをキープするために継続的なホワイトニング施術が必要であることは、意外と知らない方が多くホワイトニングをしても最終的に不満が残ることもあるため、施術前に十分理解して治療を受けることをおすすめします。
まとめ
ホワイトニングは、笑顔を取り戻すための治療の選択肢のひとつですが、過酸化水素という強い薬液で歯のエナメル質の変色をを化学的に分解し歯を白くするため、歯に多少のダメージを与えていることはご理解いただけたと思います。
また、白くなった歯を継続的に維持することは定期的な施術が必要であることも理解できたのではないでしょうか。
審美的改善には、ホワイトニングの他にも、ラミネートベニア法など歯の表面に薄いセラミックスのシェルを貼り付ける方法もあるため、ホワイトニングとラミネートベニアどちらか 皆さんのライフスタイルに合っているかで治療方法を選択するとよいでしょう。
方法が選択できる中で、いずれの治療方法を選択しても、歯を白くすることは間違いなくできるため、
諦めずに自分に合った方法で歯を白くして、最高の笑顔をとりもどしてください。